行事の報告
令和4年も残すところあと2カ月となった10月30日に、お寺では「農神さま」を再興するための開眼供養を行いました。
今年の春から、皆さまにご寄付をお願いしていたお社が完成したお祝いです。
まずは農神さまについてのご説明をいたしましょう。
農神さまは、田の神、作神、氏神、百姓神など、地方によってさまざまな呼び方で親しまれている【食をつかさどる】神さまです。
農神さまをお祀りし、拝んでいると
というご利益にあずかることができる、そう昔から信じられ崇められてきました。
農神さまのご神体は
【荒神さま (土)】【水神さま (水)】【稲荷さま (火、種)】の三位一体の神さまです。
どうして農神さまと波切不動寺にはご縁があったのでしょうか?
ことの始まりは5年前にさかのぼります。後に大久保農園となる場所は、ある方からの熱心な勧めがあって、将来墓地にしてもよいかな、くらいの軽い気持ちで購入を決めました。
ところがそこは因縁のある土地でした。9,000坪もの広大な敷地の目立つ場所に、立派な入母屋 (いりもや) 造りの古民家が建ち、浮かばれない霊が15体も棲んでいました。古民家の床下には、忘れ去られた【水神さま】が埋められ、土地に侵入した者に障りを起こす状態でした。
5年前に土地と家を購入した波切不動寺の住職も、先人たちと同じように禍にたびたび翻弄され、苦しめられてきました。そして一大決心をして、入母屋造りの古民家の解体を決意。取り壊した後には土を深く深く掘り下げて整地しました。土地の神さまの再興を発心してから4カ月が経ち、ようやくお社ができたのです。
農神さまをお祀りするまでに、何度となく土地の供養を行ってきました。
建物を取り壊したり、整地するにあたっては、災いに見舞われたことも少なくありません。
土地の神さまと向きあい、開眼供養にいたるまでには多大な労力と費用がかかりました。波切不動寺でなければできないことでした。
住職は農神さまに見込まれてしまったのでは.....。住職は言います。
「地域の農家さんが豊かになるためには、お祀りしないわけにはいかないでしょ」
農神さまのお社は、農園の門をまっすぐ進んだ後、左手に折れたところにございます。
皆さまもお近くにお寄りの際には、ぜひ農神さまをお参りくださいませ。
鹿児島県の報恩寺から丸塚照範法主、性空堂から丸塚宝潤副住職、福岡の大師寺から丸塚法泉住職、そして大阪の大日寺から鎰廣弘道先生がおいでになりました。